2011年7月4日(月)
本年で五回目を迎えた富士登拝修行も魔事なく成満となりました。
毎回、ご好評を頂いております、富士登拝日記を本年も参加者の
方にお書き頂きました。
前行~薬王院まで
今回、初めて富士登拝修行に参加させて頂きましたが、入山して
日の浅い自分にとっては、これから修行をする者としての心構えど
ころか、今思えば、その緊張感すらなかった様に感じます。
しかし、いざ修行が始ると僧侶の方々の真剣さがひしひしと伝わり、
自然と一生懸命になっていました。
高尾山内での前行の話から始めたいと思います。
8:30に不動院に集合の予定。しかし、緊張の為か8:00に到着。
参加者の方々が集まったところで、祈祷殿に移動し柴燈護摩の準
備をし、その後、琵琶滝にて水行となりました。滝にうたれること自
体が初めての経験でしたので、不安が募ります。いざ滝の内に入
ると身体は震え、頭の中は真っ白の状態でした。大きな声で「南無
大聖不動明王」とお唱えすることで、気持ちが引き締まり、頭もハッ
キリとしてきました。滝から出た際は邪気が洗い流された感覚にな
り、爽快な気分となりました。
滝行を終えると不動院に戻り、昼食。初対面の方も多く静かな昼
食となりました。昼食を終え、柴燈護摩に備え初めて山伏の姿に
着替えました。初めてきる衣体に呆然としていると、まわりの僧侶
の方々が丁寧に教えてくれました。明日からは自分一人で着られ
ないと、迷惑が掛かるので必死で覚えました。
自分にとって初めての柴燈護摩修行は執事長御導師のもと執り行
われました。生唾を飲む音が周りに聞こえるのではないかという位
緊張しておりましたが、覚えたての般若心経を必死で唱えました。
自信がなかったこともあり、声が小さかったことが反省点です。
その後、不動院で法楽をすませ薬王院へ向けて、一号路を登りま
した。「慚愧懺悔六根清浄」の掛声とともに登ります。写真と撮られ
たり、かっこいいと言われたり注目を浴びましたが、修行という事を
頭に入れ、自分自身を見つめながら一歩・一歩足を進めました。
金毘羅社、神変堂、御本堂と法楽したがら薬王院に到着。大玄関
では多くの僧侶の方にお出迎えを頂きました。
先輩の職員の方には、「これからが大変だから頑張れ」と言われ、
経験者の言葉は重く、身が引き締まる思いでした。
天狗の落とし文