高尾山ブログ 天狗のひとり言


お花見


3月 31

3月31日(火)

このところ暖かい日が続きようやく春めいてまいりました。山登りには絶好の

季節到来です。数日前に気象庁より東京の桜の満開宣言の発表がありました。

平年よりも5日早いとの事で、ニュースなどでお花見で賑わう公園の映像が文字

どおり花を咲かせていますね。

ここ薬王院の境内にはしだれ桜や八重桜・寒緋桜・山桜等があり、標高が高いため

麓よりも開花が遅れます。桜のお花見にはまだちょっと早い髙尾山ですが、花見

は何も桜だけではないと言わんばかりに今いろんな花が咲いています。

そんな中からいくつかご紹介。

ミツマタ。名前通りきれいに枝が3つに分かれてます。

珍しい赤色のもあります。

タチツボスミレ。至る所に生えているので簡単に見つかります。小さいハチ

が蜜を吸ってました。

ツバキ。花びらと葉のコントラストがきれいですね。

キランソウ。地面の隙間にびっしり生えるので「地獄の窯のフタ」なんて

別名があります。

皆さんもぜひ「お花見」で髙尾山に足を運ばれてはいかがでしょうか?

天狗の落とし文

日々を活かし切り生きる




お墓参り


3月 24

3月24日(火)

3月18日から今日まで、春のお彼岸です。お墓参りに行かれた方も多いかと思います。

お中日の21日、当山でも僧侶・職員によりお墓参りが行われました。

この墓地は境内の奥にひっそりと佇み、髙尾山薬王院の歴代山主(解り易く言うと住職の

事です)の御霊が眠っています。とても静かな場所なので読経の声が心地よく響き渡り、

いつまでも聞いていたくなります。

帰り道、枝につぼみをつけたコブシの木を見つけました。

よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、三寒四温で暖かい日もあれば寒い日もあり、

この日も朝のうち小雨が降っていて少し肌寒い陽気でした。コブシのつぼみたちがまだ

毛皮のコートを手放せずにいるようにみえてなんとも微笑ましいですね。

天狗の落とし文

心を洗う




震災から4年…


3月 22

3月11日(水)

3月10日(火)に

東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福を祈り、被災地の復興促進、

並びに被災者の安全を祈願する法要が執り行われました。

震災から4年の月日が流れました。被災地で日々暮らしていない、私にとって、

4年とは3年とも5年とも違い、区切りでもなく宙ぶらりんな感じがします。ややもすれば、

復興は他人任せにしてしまっている自分がいるのかと。追悼式典のスピーチを聞くと

4年も負けずによくぞ・・・と頭が下がります。

テレビ等では、復興は着実に進んでいるというムードの報道が多く感じられました。

物理的な復興は確かに進んでいるのかもしれませんが、そこに新しい文化が生まれて

こそ復興ではないでしょうか。例えは、防災・減災の文化が育ちつつあるのを

見落としてはならないと思います。

震災から4年。振り返ってみて、教訓から何を活かして実行しているのか。

4年前に感じた無力感から何が出来るようになったのか。

被災地・被災者だけでなく、皆が何か得たこともこの4年分の復興かもしれません。

天狗の落とし文

助け合い 支え合い




火渡り祭


3月 12

3月8日(日)

朝からしとしと降り続く雨。天気予報を何度も確認し、風が雨雲を

運ぶように祈り、空を見上げては明るくなるのを願っていました。

不動院のある方角から、山伏が出立する法螺の合図が聞こえて来る

頃には、雨粒はほとんど気にならなくなっていました。

大導師の入場を皮切りに、各地で修行を重ねる先達方が続々と結界

へと導かれ、火渡り祭の儀式が古式に法り厳かに始まりました。

天地に響くような声で床堅の儀式が進む。

大木をなぎ倒すが如く、神斧が振るわれる。

心の迷い・煩悩を一刀両断。

四方・中央に流星の如く矢を放つ。

願文を奏上し、御壇木御志納者の芳名を読み上げる。

清浄無垢な閼伽水を供えたのち、いよいよ点火。

立ち上がる煙で、御信徒と梵天札をお加持する。

火の粉を飛ばしながら火柱は高く空へと向かう。

御信徒の願いが込められた撫で木を火中へ投ずる。

大釜内で沸騰した湯を巻き上げお加持をする。

火生三昧表白の後、火渡りに際し、魔を払う。

山伏に続き、御信徒も火渡りを行う。

すべての御信徒が無事に渡り終え、火渡り祭は魔事なく厳修されました。

火渡り祭は3月の第2日曜日に執り行われます。奇しくも東日本大震災発生の日の

近くとなります。震災から「もう4年」あるいは「まだ4年」様々ですが、個々の祈願とは

別に、会場全体に復興や鎮魂といった空気が自然と生まれるようになった気がしました。

天狗の落とし文

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