火渡り祭

     3月10日(日)

 

 

 

 

     「煙霧」という言葉を初めてしりました。麗かな陽気でしたが、

     空の色を変える程の風が吹く中、御貫首を大導師にお迎えし、

     火渡り祭が執り行われました。

     儀式を始めるにあたり、丸二年になる東日本大震災の犠牲

     者の方々へ会場にいる全員で鎮魂の祈りを捧げました。

     参加者はそれぞれの願いだけでなく被災地への想いを合

     わせて、火渡りの修行に臨んだのではないでしょうか。

     儀式は古式に則り進められます。

     床堅

     神斧

     宝剣

     法弓

     願文

     点火

     火渡りの為の道をつくります。熱さのピークかもしれません。

     御信徒の皆様が納めた撫で木を投じます。

     熱祈を続ける御貫首。

     湯加持

     清浄払い

     火渡り

     今年は、風も強く燃え上がった火柱が大きくうねり、火の粉が

     飛び散り、祭場内を焦がすようでした。

     写真撮影の為、結界の内に入っていたのですが、その熱気で

     カメラが熱せられ、ゴムの部分が溶ける程でした。自分は炎か

     ら逃れるように移動できましたが、持ち場のある山伏は逃げら

     れません。太鼓を打っていた山伏の方へ炎が向かったとき、

     そばにいた山伏が身を挺して守っている姿や御貫首の太刀持

     ちをしていた少年までもが身じろぎもせず、役目を全うしていた

     のが印象的でした。

     山伏の数名は渡火を終えるやその足で、3月11日の震災法要

     の為、岩手県宮古市へ向かいました。

     が、それはまた、別の機会に。

     天狗の落とし文

               強さの中に 優しさも 備える