7月24日(水) 最終日
深い深い霧。山頂を見上げようにも白い霧が覆っている。
8合目を出発してからだいぶたつ。高山病か頭もクラクラ
してきた。ここからさらに登ると思うと心が折れる。
だめだ・・・限界だ・・・、ハッ 夢か~。
深夜から登り始め、空気の薄さと冬のような寒さが体力
を奪う。風も厳しい。山頂へと続くヘッドライトの光の行列
が白い霧のなかに一筋の道しるべとなる。
山頂まであと少し。
勾配のきつい石段を登りきると開けた場所にでる。
山頂は人で埋め尽くされていた。
人々が「おめでとう」と互いの健闘を称えあう。
やっと山頂だ。感動と達成感がじわじわと心に押し寄せて
くる。
あいにく天候は悪くご来光は拝めそうになかった。
あたりに霧がたちこめる中、お鉢巡りに出発。
目指す剣が峰は日本一高い3776m。油断大敵、山頂
なのにまた登る。一度緩めてしまった心。足が重い。
砂浜のような登り坂に足をとられながらも、やっとの
思いで、日本一高い地上に立った。
下界は霧で見えないが苦労して登った達成感だけで
満足だった。 富士山頂奥宮を参拝後、すぐに下山となった。
足を滑らせながらの下山は登山よりも負担が大きい。
降りしきる雨の中、なんとか5合目まで下山した。
帰りのバスの中、これまでの道中を思う。歩いて2日間
かかった道のりもバスではたったの2時間。
流れる景色を見ながら、丸太のような足をさする。
道中を共にした皆さんと自分の足に「ありがとう」