火渡り祭

3月8日(日)

朝からしとしと降り続く雨。天気予報を何度も確認し、風が雨雲を

運ぶように祈り、空を見上げては明るくなるのを願っていました。

不動院のある方角から、山伏が出立する法螺の合図が聞こえて来る

頃には、雨粒はほとんど気にならなくなっていました。

大導師の入場を皮切りに、各地で修行を重ねる先達方が続々と結界

へと導かれ、火渡り祭の儀式が古式に法り厳かに始まりました。

天地に響くような声で床堅の儀式が進む。

大木をなぎ倒すが如く、神斧が振るわれる。

心の迷い・煩悩を一刀両断。

四方・中央に流星の如く矢を放つ。

願文を奏上し、御壇木御志納者の芳名を読み上げる。

清浄無垢な閼伽水を供えたのち、いよいよ点火。

立ち上がる煙で、御信徒と梵天札をお加持する。

火の粉を飛ばしながら火柱は高く空へと向かう。

御信徒の願いが込められた撫で木を火中へ投ずる。

大釜内で沸騰した湯を巻き上げお加持をする。

火生三昧表白の後、火渡りに際し、魔を払う。

山伏に続き、御信徒も火渡りを行う。

すべての御信徒が無事に渡り終え、火渡り祭は魔事なく厳修されました。

火渡り祭は3月の第2日曜日に執り行われます。奇しくも東日本大震災発生の日の

近くとなります。震災から「もう4年」あるいは「まだ4年」様々ですが、個々の祈願とは

別に、会場全体に復興や鎮魂といった空気が自然と生まれるようになった気がしました。

天狗の落とし文

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