「霊峰富士第四箇度登拝修行」④

7月5日(月)前編

「いざ富士山」

富士吉田 大国屋から富士山5合目

 

 

 

    東京タワーと富士山には登るもんじゃない。

    と根拠もなく思い込んでいた自分がなんと富士山を前にしています。

    いよいよ富士山です。2日間の練行で脚はしっかり出来ています。

    心配なのは、高山病とお天気。

    朝8時、大国屋を出立。お天気は雲が多いが暑い。残念ながら、都合によ

    り、昨日で自分の職場へ戻られてしまった方もいたのですが、都合により、

    富士山からの参加の方もいて、一緒に歩くメンバーも増えました。

    しばらく歩くと、北口本宮冨士浅間神社が見えてきました。

    鳥居をくぐると、街の喧騒から離れ、まったくの別世界の様でした。

    茅の輪をくぐり、本殿に向かって法楽させていただくと、ついに富士山へ

    足を踏み入れてしまったのだと感慨深いものでした。明後日には、皆、

    無事に修行を終え、この場に戻って来られるよう祈願しました。

    本殿の脇を通り抜けると、緑の木々に囲まれた道を歩きました。

    この辺りではまだ、鳥の声もきこえてきます。

    ところで、今回の富士登拝修行は富士山に登り、ご来光を拝む目的の

    他に胎内修行、富士山十界修行も目的としています。

    まず、初めに、胎内修行を行うべく、吉田胎内・胎内神社を目指しました。

    吉田胎内は樹型の洞窟で、溶岩にのみ込まれた樹木が熱で燃え、中に

    木の形のまま空洞が出来たとの事でした。内側は鍾乳石や肋骨の様な

    溶岩の跡が人体を思わせ、まさに胎内にいるようです。

    2組に分かれて胎内神社正面の洞窟を見学した後、場所を移動し、入り

    口の狭い、別の洞窟へとやってきました。屈んですべり下りた先には、メ

    ンバー全員がぎりぎり入れる位の空間がありました。全員のライトを消し

    真暗闇の中、ひんやりとした空気をふるわせ、法楽いたしました。とても、神

    秘的な時間でした。

    法楽後、来た道とは別の横穴を抜け、まさに産道のような参道を這い上

    がりながら地上を目指しました。それは、仏様の胎内から出胎し仏の子

    として仏道を歩む覚悟を決める修行のようでした。

    ひんやりした洞窟から出ると外の蒸し暑さは倍にも感じ、富士の樹海も

    ジャングルのようでした。

    生まれ変わった修行者一行は中ノ茶屋を目指しました。

    次回7月5日(月)後編「富士山十界修行」へつづく