7月6日(火)
「十界修行成満」
五合目 佐藤小屋から八合目 元祖室まで
a.m8:30 八合目へ向け、佐藤小屋を出発。
お世話になった山小屋の皆様にお礼と法楽。
今日からは、ベテランのガイドさんも同行です。歩くペースと休憩の
判断はガイドさんにお任せとなりました。
5合目を過ぎると緑も段々と少なくなり、それに比例して空気も薄く
なってきた気がします。
八角堂の日蓮上人を参拝し、六合目の登山安全センターにて休憩。
天気は晴れたり、靄がでたりでしたが、常に蒸し暑いといった具合。
ガイドさんのペースはとてもゆっくりで、休憩も小まめにありましたので、
呼吸を整えながら歩き、休憩の時は、しっかり深呼吸をして、高山病
にならないように、体を順化させることを意識しました。
七合目トモエ館に到着。大黒天の前で法楽。富士山には大黒天を
お祀りしているところが多いようです。トモエ館で場所をお借りした上、
お茶のご接待も頂き、早めの昼食となりました。
いよいよここからは、本格的な岩場を登ります。ちょうど遠足の小学生
が下りてくる時間と重なり、狭い岩場で譲り合い。ふと見上げれば、
月が出ています。おもえば、ここまでの道のりで夜空を見上げる余裕
はありませんでした。
太子館に到着。中に上がらせていただき法楽。仏教を手厚く保護した
聖徳太子は神変菩薩同様に、修験道でも大切な存在として、敬って
いるそうです。
日本一の富士山にもなんとやまびこポイントがありました。
何に反射するかといえば、山頂に向かって右手に広がる岩場でした。
ガイドさんの指差す方向に向かって、皆で叫びました。
叫ぶ言葉は当然決まってます。「いやませどし」。見事に、こだまし
たのを聞くと拍手と歓声があがりました。
この辺りには、左手に「蓬莱亀岩」と呼ばれる亀の形をした、岩が
デンと構えており、右手の岩場の中に残る雪の上には、見事なシュ
プールが描かれておりました。
3000mを越えると空気もヒンヤリとしてきます。白雲荘でご接待
頂いたコーヒーは格別でした。
白雲荘から元祖室までは、すぐでした。元祖室のご主人にご挨拶。
引き続き、冨士山天拝宮にて法楽。この後、なんとなくアダルトチ
-ムと自称ヤングチームの二班に分かれて烏帽子神社内に上がり
ました。
十界修行の締めくくりです。昨日までに六凡の修行と云われている
六つの修行をいたしました。四聖の行と云われる
四諦(声聞)・十二因縁(縁覚)・六度(菩薩)・正勧請(仏)の修行を残す
のみです。
中に入ると、一同神妙な面持ちで、空気も張り詰めています。
自分の鼓動や唾を飲む音がやけに大きく聞こえます。
法楽をあげ、先達より御宝号を授かります。
例にならって、皆で、声を揃えてお唱えします。
次に仏の智慧を表す道冠帽を被らせていだだき、ご神鏡に映る自分
の姿を見ます。そして自分自身が仏であると体験し、仏である自分
の顔を最初に自分の眼でまじまじと見て、その表情を焼付け、何を
感じるかというものでした。鏡を見るたびに、この時の自分の顔を思
い出だし、今回の修行で得たものを思い返すことでしょう。
続いて、先達より宝印を授かります。先達を見よう見まねで、遅れな
いようについて行きます。
立ち上がり、腕で何かを抱きしめるかのようなポーズをとり、横を向
きます。身体全体を使って“バン”という梵字を表現します。
“バン”は大日如来を意味する梵字だそうです。
身も心も隅々まで仏となった修行者に先達より、今回、富士山にて
自身が悟る為の修行をしてきましたが、富士山を下りてからも他の
人をも悟りに導くことが同様に大切であるとのお言葉を頂戴いたし
ました。
最後に法螺をたて十界修行成満となりました。
烏帽子神社から出てきた修行者はみんな清々しい、穏やかな顔を
していました。
前半の六凡の修行とは、心の修行であったと思います。そして、
後半の四聖の修行は、悟りの修行だと思いました。
山小屋では、先が見えてきた安心感からか来年の話もでたりして
いました。
明日は、いよいよ山頂を目指します。夜中の出発に備えて、早め
の就寝となりました。風雨がそこまで来てるのを知らずに・・・
本日の歩数:3440歩 累計:120889歩
最終回「富士登拝修行成満」につづく