霊峰富士第四箇度登拝修行⑦
8月 11
七月七日(水)七夕
「富士登拝修行成満」
八合目 元祖室から髙尾山まで
0時30分起床。残念ながらの雨でした。
下着も重ね着し、合羽も装備完了。富士山の寒さを甘くみていた訳
ではないが、それでも寒い。
真っ暗闇の中、山頂目指して出発です。
ご来光に合わせて山頂に着くようにゆっくりとしたペース。
高山病にならない様、こまめに休憩、しっかり深呼吸。
天気は悪化の一途、雨脚も強くなり、風もビュービューです。
あまりの寒さのため、休憩で立ち止まるのが苦痛でした。例えるなら、
大晦日の髙尾山で雨・風にあった寒さ。
歩き始めて15分もしないうちに、まさかの頭痛。寒さで鼻水が出てる
が、ものの15分で風邪をひくわけもなく、充分過ぎるほどに深呼吸を
して歩いてきたのに、ココまで来て高山病かよと絶望的な気持ちで歩
きました。
程なくして休憩の折、後ろを振り返ると、後続の人たちのヘッドライトが
眼に入りました。もしやと思い、ヘッドライトのゴムを緩めると案の定…
大正解でした。馬鹿ですねぇ。。。
暗闇と寒さで周りをみる余裕もなく、ひたすら歩く、右足、左足と。
もうそれしか考えていなかったというか、考えられなっかたというのが
正直なところです。歩くことに集中しないと心が折れそうな時間で、
今回の修行で個人的には一番きつかった場面でした。
どこを歩いているのかなどまったく分からない中「鳥居がみえたぞ!
もうすこしだ!」の声が。胸突八丁の急坂がどこだったのかも分から
ない中、石段を登り、ついに山頂の浅間神社奥宮に到着。
誰からともなく、そこらじゅうから、おめでとうの声が響き、固い握手
が交わされていました。
休憩の後、浅間神社奥宮にて、世界平和を祈って法楽。今回、参加
出来なかった方々の御名前もしっかりと読み上げました。偶然、この
場にいたであろう方々も一緒に手を合わせている姿をみて、とても尊く、
素敵なことだと思いました。
一旦、風雨をしのげる場所へ移動し、ご来光を待ちましたが、残念な
がら断念。
雪の為、半周しかお鉢巡りは出来ないとのことでしたが、気持ちを切り
替え、剣ヶ峰を目指しました。
剣ヶ峰では、皆、寒さも忘れ、思い思いに記念撮影をしてました。 ご来光を見ることは叶いませんでしたが、まばゆいばかりの皆の笑顔
をみると、感謝の気持ちが溢れてきます。日本一の高い所で「ありが
とう」と叫びました・・・こっそりと。
再び、奥宮へ戻り、ご来光を拝みながらの万歳が出来なかったので、
視界がよくなったこともあり、眼下に広がる美しい景色に向かって、
叫ぶ言葉はもちろん、、、「いやませどし~」
下山道も雪で塞がれており、来た道を戻ります。この頃には、雨も上
がり、ちらりと太陽が顔をのぞかせたりもしました。着てきた合羽は
暑いくらいです。
八合目元祖室に戻り朝食後、五合目小御嶽神社を目指し出立。小
石に足をとられるも、皆、足取りは軽やかです。これから、山頂を目
指して登る人を激励しつつ、お世話になった山小屋の方々にお礼を
しつつの下山となりました。
下りながら、「ここで休憩したなぁ」とか「ここでお昼をいただいたなぁ」
などと、考えていると、あっという間に、六合目の登山安全指導セン
ターに到着。たった一日前のことが、昔のように感じられるのは、それ
だけ密度の濃い時間を過ごしてきた証だと思います。
一息いれた後、旗を立て、列を整え出立。
小御嶽神社の手前では、秀峰会の方々がお出迎えしてくれていました。
皆様から「お疲れ様」と声をかけていただき、今回の修行がとても有意
義であったという思いが倍増いたしました。
昨日からここまで、先頭に立って無事に一行を導いてくれた、ガイドさん
ともここでお別れ。
「山伏さんがみんなの登山の安全を祈願してくれているんだよ」とすれ
違う人みんなに声を掛けていたのが印象的でした。
秀峰会の方々と合流し、小御嶽神社を正式参拝し法楽。
そこで昼食をいただき、長めの休息となりました。
五合目から麓の北口本宮冨士浅間神社までは、バスでの移動となり
ました。バスに乗り込む前に降り出した雨は麓に着く頃には、本降り
になっていました。そんな中、浅間神社の入口にて御前様にお出迎え
を頂き、そのまま本殿へ向かい参道を進みました。
2日前に歩いた参道も違った景色に見えました。なにより修行者一行
の凛とした姿は、雨のせいだけではありませんでした。全員が本当に
カッコよかったです。
本殿の中に上がらせて頂き、法楽と正式参拝。無事に富士山に登れ
たことに感謝しました。
再び、バスに乗り込み髙尾山に向け出発。車内では皆、疲れからか、
感慨深いのか、静まりかえっていました。
祈祷殿に到着するも雨の為、柴燈護摩は中止に。祈祷殿にて法楽、
御前様に無事帰ってきたことを報告し、労いのお言葉を頂戴しました。
最後のひと踏ん張り、不動院へ向かい、法楽、先達より、締めのお言葉を頂き、 第四箇度霊峰富士登拝修行は無魔成満いたしました。
修行はまだまだ終わりじゃないと言わんばかりの、滝行の様な土砂
降りの雨の中でした。
本日の歩数:25136歩 累計歩数:146025歩