高尾山ブログ 天狗のひとり言


火渡り祈願


3月 27

2011年3月13日(日)

 

 

 

 

      はじめに、東北地方・太平洋沖地震により亡くなられた方の

     ご冥福をお祈りいたします。

     さらには、被災された皆様、ならびにご関係の皆様に、心より

     お見舞いを申し上げます。

      中止も検討された火渡り祭ですが、こんな時だからこそ、今

     すぐに私達に出来ることといえば、亡くなられた方の冥福を祈

     ることであり、国土の安穏と復興を祈願することだと考え、少

     しでも被災地の方々の苦難を分かち合い、復興への一助と

     なれるように、火渡り祈願として開催することとなりました。

     高尾駅の北口を出発した練行隊と不動院で合流。休憩で

     一息入れた後、御貫首を先頭に震災殉難者の法要が執り

     行われました。なぜ自分が命を落としたのか分からないま

     ま亡くなった方もいるのではないかと思うと、胸が締め付け

     られます。     法要を終えると山伏たちは祈祷殿の祭場を目指しました。     火渡りの儀式は厳かに進みます。

     阿字門・大導師招待

     火鑚加持

     床堅

     神斧

     宝剣

     願文

     通常の火渡り祭で祈願される、除災開運・身上安全・世界平和

     等に加えて、行方不明者の早期救出・被災者の身体健全・身

     上安全・作業員の救助安全そして国土安穏・復興祈願が一心

     に祈念されました。

     閼伽

     点火     梵天加持

     湯加持

     火生三昧表白

     清浄払い

     火生三昧耶

     余震の不安や交通機関の乱れ、諸事情あるなか多くの方々

     に火渡り祈願にご参加頂きました。誠に有難うございます。

     皆様の祈りは必ずや被災された方々の救済と、被災地の

     一日も早い復興への力となるでしょう。

     被災地から届く子供の映像で笑顔が映し出されると、ほっと

     すると共に希望の光に見えます。お稚児さんが練り供養をい

     たします春季大祭ですが、引き続き高尾山では、震災復興

     祈願といたしまして4月17日(日)に執り行います。

     自分自身、こころの中に熱いものを感じる火渡り祈願となり

     ました。

 

 

    人生の道しるべ

 

    がんばれ、日本。




二の午


3月 01

2011年2月20日(日)

 

 

 

     山麓の不動院にお稲荷さんのお堂があります。このお稲荷さんは諸事情に

     より各所を転々としたらしいのですが、最終的に不動院のこの場所に落ち着

     いたそうです。

     毎年2月の2回目の午の日(二の午)に法要が執り行われ、今年もふもとの

     商店の方々に大勢お集まり頂き、家内安全・商売繁盛等祈願いたしました。

     また、午後には、菊一の滝近くのお稲荷さんにおいても、地元の方にお集ま

     り頂き、法要を執り行いました。

     さて、高尾山に春を呼ぶ「火渡り祭」がもう間近です。花粉症の方もそうでない

     方も皆様お誘い合わせの上ご来場ください。

 

    人生の道しるべ

 

    一心

 

    心を一つに集中し 他に散らさない




涅槃会


2月 17

2011年2月15日(日)

 

 

 

     今年は大雪による事故のニュースを多く耳にしましたが、高尾山にも

     30㎝程積もりました。雪は豊作の知らせでもあります。本年が実りの

     多い飛躍の一年となればと思います。

     そんな真っ白な雪景色の中、書院において涅槃会の法要が執り行わ

     れました。

     書院内に飾られた「高尾涅槃図」には、お釈迦様が涅槃に入られる

     場面が描かれているのですが、神々やお弟子さん・動物達が悲しん

     でいるのに加えて天狗さんの姿があるのが特徴となっております。

     ムササビもいます。

     涅槃会は、どなたでもご参加頂けます。書院へはなかなか入りづらい

     と思いますが、職員に一声頂ければ御案内いたします。来年は

     「高尾涅槃図」是非ともご覧下さい。

     ちなみに、お釈迦様は北枕で横になっておられます。

     諸説あるようですがインド等ではごく一般的な寝る体勢であるようです。

     北を枕に西を向いて寝ると自ずと心臓に負担のかからない回復姿勢の

     ようなかたちになります。体にはやさしいのかもしれません。

     さて、2月20日(日)は二の午です。山麓不動院のお稲荷さんの法要が

     あります。皆様お誘い合わせの上、是非ご来山ください。

 

 

    人生の道しるべ

 

    光

 

    光はほとけのいのち 人の心の中には

 

    いっぱいの光がさしている




初午福徳稲荷祭


2月 08

2011年2月8日(火)

 

 

 

     流れ来る雲の彼方から雪の予報が聞こえてきます。遠くで雪を運んで

     いたであろう冷たい風が高尾山にもやってきました。本日は初午です。

     御本社横の福徳稲荷社にて御貫首御導師のもと法要が執り行われ

     家内安全・商業繁昌・万民豊楽等が祈願され、さらには皆様のお願い

     ごとが書かれた五色旗が奉納されました。

     立春もすぎ、そろそろ春も寝返りをうった頃でしょうか?

     寒いこの時期は早朝がとても貴重で豊かな時間に変わります。

     冬は朝の登山が大変気持ちの良いものです。お休みの日には、無

     理をしない程度に少しだけ早く起きて、誰もいない、まだ誰も呼吸を

     していないガラスのようにクリアな空気を吸いに来てみてはいかが

     でしょうか。

 

    人生の道しるべ

 

    生佛不二(しょうぶつふに)

 

    生きとし生けるもの それは仏さまそのものである




節分会追儺式


2月 06

2011年2月3日(木)

 

 

 

     今年も早朝5時から節分の豆撒きが行われました。お天気にも恵まれました。

     高尾山の「節分会追儺式」は、一般の歳男・歳女、そして相撲協会の片男波

     部屋、北島三郎さん他芸能人、特別招待者の御護摩修行者が大勢参加され

     盛大に行われます。

     今年は、計7回の御護摩修行終了後に豆撒きが行われ、御貫首が「謹んで

     祈り奉る、仏法興隆・万民豊楽・信徒安全・山内安全・福は内」と唱え福豆を

     撒くと参加者の「福は内」という掛声がご本堂内に響きました。引き続いて、

     歳男・歳女の方や招待者の方が本堂の前に場所をかえ豆撒きを行いました。

     各回とも歳男・歳女の方や人気者からの福を戴こうとご本堂の前は超満員と

     なりました。

     高尾山では豆撒きの時「福は内」とだけ唱えて「鬼は外」を唱えません。

     高尾山には鬼がいないからでしょうか?鬼にも寛容なのでしょうか?

     それともこころを鬼にして事にあたるとき、鬼がいないと困るからでしょうか?

     みなさんのご家庭では、どのような掛声で豆撒きをしましたか?

     最後に、混雑の折、種種不行き届きの点ございましたが、御来山された皆様

     のご協力により例年にもまして盛大に魔事なく節分会を執り行う事ができ、

     深く感謝いたします。

 

     

 

    人生の道しるべ

 

    一福延壽(いっぷくえんじゅ)

 

    たとえ小さな事であっても

 

    そこに感謝の心があるならば

 

    大きな幸福が巡って来る




「髙尾山ブログ」今年もよろしくお願い致します


1月 13

2011年1月10日(祝)

 

 

 

    毎年のごとくお天気が心配でしたが、暮れから今日まで好天に

    恵まれ、例年より暖かく感じる程でした。

    今年も髙尾山に大勢の方々が参拝にお越しくださいました。

    大晦日には、午前0時を前にご本堂の前からお参りの方の列が

    続きます。

    除夜の鐘とともに新春の特別開帳大護摩供が厳修され、御貫首

    御導師のもと護摩壇に今年最初の護摩の火が点火されました。

    一番護摩には、ご本堂から溢れんばかりの御信徒の方々に参列

    いただきました。

    早朝には山頂にて、迎光祭が執り行われ、初日の出に向かって

    一同手を合わせました。

    日中も初詣に来られた方々で境内は賑やかです。縁起物を求め

    る方、正月らしく御着物で来山された方など普段とは雰囲気が

    一変します。

    新たな気持ちで新年を迎えるにあたって、皆様御本尊様に何を

    お願いしましたか?

    また、9日の初甲子の日には大黒天様のお祭りが行われました。

    早朝より、御護摩の際に用いる、松の丸太、クコの枝を担いで

    多くの御信徒が来山されました。

    11時の御護摩が終わると御本社横の大黒天碑の前で御前様

    御導師のもと法要が執り行われ、皆様の商売繁盛・事業繁栄・

    社運隆昌等が祈念されました。

    また、当日に限り、髙尾山から資本金入りの子袋が貸し出され

    多くの方がお持ちになりました。それを元手にご家業・お仕事に

    ご精進頂ければと思います。

    本年も皆様にとって、幸多き年でありますようお祈り申し上げます。

    

    人生の道しるべ

 

    善為宝(善を宝となす)

 

    善に急ぐべし 心を悪より遠ざくべし

 

    日々の善行こそ大切に それが宝物




おみがき


12月 19

2010年12月18日(土)

 

 

 

    昨日の寒さから一転、穏やかな冬晴れの中、おみがきが行われました。

    本堂内にやわらかな光が差し込む中、朝9:00頃よりスタート。

    御貫首を筆頭に山内の僧侶・職員をはじめ、高尾山の商店の方々や

    御信徒の方々が大勢集まりました。

    本堂・本社・奥の院・大師堂などの仏具が運び込まれます。

    最初に薬品を混ぜた熱湯でグツグツと煮沸します。

    熱々の仏具は本堂に運び込まれます。先頭の2・3人で「ピカール」を

    塗りたくります。

    手前の人は大雑把に磨き、流れ作業で奥の人は仕上げるように磨き

    ます。

    和やかな雰囲気の中、一所懸命磨いていると時間が経つのもあっと

    いう間です。

    恒例のおしるこで休憩タイムです。料理長の白玉入りのおしるこで

    小腹を満たしたら後半戦です。

    おみがきは、席順によって磨き方がだいぶ違います。その人の個性

    も出ますし、いろいろ場所をかえるのも楽しみの1つかもしれません。

    自分の顔が映る位ピカピカに磨けると嬉しくなります。

    日々の生活で自分の心もくもりがちになります。いつでもピカピカで

    あるように心がけたいものです。

    最後にお手伝いいただいた皆様、ありがとうございました。   

 

 

    人生の道しるべ

 

    和敬(わけい)

 

    和合と尊敬の心 人間社会で最も大切な心がまえ




高尾山山内大掃除


12月 15

2010年12月13日(月)

 

 

 

 

    小雨の降りしきる中、山内の大掃除が行われました。

    山内の僧侶・職員が総出でご本堂を中心に1年の汚れを落としました。

    高尾山では1日5回365日御護摩修行が行われ、護摩壇の周りには

    大量のすすがたまります。木造の建物ですので、すすがたまってると

    火の粉が飛ぶだけでとても危険です。

    そのため、屋根裏にも上がってすすを取り除きます。

    堂内はこの日ばかりは護摩壇の仏具なども取り払われ、さながら工事

    現場のようになります。

    内陣も僧侶によってキレイにお手入れされます。

    護摩壇周辺では、顔を真っ黒にしながら、すすを払います。

    失礼して天狗さんのほこりも落とします。

    二王門もピカピカに磨きます。

    護摩壇から取り外された仏具などもキレイにします。

    本堂の隅々まで丁寧にすすやほこりを落としたら、ビニールシートを

    外し、雑巾がけです。

    キレイになったところで、仏具などをもとの位置に戻して終了です。

    大掃除をすると色々な物が出てきて、ついつい懐かしんで時間を

    とられがちになります。物と一緒に心も整理して1年を省みる大事

    な時間かもしれません。

    新しい年を新たな気持ちで迎えるための大掃除。みなさんの

    ご予定は!?

    

    18日(日)にはご本堂にて「おみがき」が19日(日)には山麓祈祷殿

    にて納札の柴燈護摩が行われます。どなたでも参加(おみがき)や

    見学(柴燈護摩)が出来ますので、是非お越し下さい。

 

 

    人生の道しるべ

 

    新観(しんかん)

 

    ほんものを見ようとする こころ構え




シベリア抑留者供養碑開眼法要


10月 31

平成22年10月28日(木)

 

 

    有喜苑内に新たに建立されたシベリア抑留者供養碑の開眼法要

    が御貫首御導師のもと執り行われました。

    シベリアの寒さを思わせる雨の中、120名以上の方が参列されま

    した。

    発起人の方は、亡くなった多くの戦友の魂を弔うために、道志村で

    見つけた自然石を長らく保管し、今回の建立にこぎつけたそうです。

    戦後65年の月日が経ちますが、高尾山にはシベリア抑留者慰霊

    碑の他にも戦争で亡くなった方々の慰霊碑がしっかりと建っていま

    す。

 

 

    人生の道しるべ

 

    照顧脚下(脚下【きゃっか】を照顧【しょうこ】す)

 

    足もとを見よ 自分をみつめよ




高尾山秋季大祭


10月 19

10月17日(日)

 

 

 

 

    雨の予報は良い方向にハズれ、日差しのあたたかい、穏やかな

    お天気の中、秋の大祭が行われました。

    華やかな衣装で着飾ったお稚児さんが十一丁目茶屋の前にぞく

    ぞくと集まってきます。

    十一丁目茶屋のご祈祷を終えると隊列をくんで出発です。

    先頭旗に続いて山伏・お稚児さん・鼓笛隊・御詠歌講・式衆・

    大導師・芸妓さん・慶参会のお侍さんの順に進みます。

    女坂を登ると一行は有喜苑に向かい仏舎利塔を参拝しました。

    境内に入ると天狗像の前で八王子仲町の芸妓さんの舞扇供養

    が行われその場に居合わせた方も興味深く見守っていました。

    その間にお稚児さんは本堂へ向かい洒水加持を受け身上安全

    身体健全をご本尊様に祈願しました。

    引き続きご本堂内では特別開帳大護摩供が厳修され、大勢の

    方が出席されました。

    再び有喜苑に戻った山伏により柴燈護摩が行われました。

    天高く昇る護摩の煙を見ていると高尾の木々も大分色づいて

    いることに気づきます。

    これから、もみじ祭りなどイベント満載の高尾山へ是非お出か

    け下さい。

 

 

    人生の道しるべ

 

    雲無心(くもむしん)

 

    白雲は悠々として なんのとらわれもない
    心ひろびろと 大らかに