高尾山ブログ 天狗のひとり言


東日本大震災被災地復興祈願合同法要


9月 09

2011年9月7日(水)

 

 

     西日本に大きな被害をもたらした、台風が去り、高尾山にも秋の

     気配が感じられるようになりました。日差しはまだまだ強いです

     が、まとわりつくような暑さから、カラッとした暑さへ変わりつつ

     あります。青々と力強く繁っていた葉っぱも少しずつですが黄色

     く色づいてきました。日没も明らかに早くなり、ここぞとばかりに、

     虫たちが鳴き始めました。秋はもすぐそこまできています。

     3月の火渡り祭の前々日に起きた、東日本大震災から半年が

     経とうとしております。我が家に届く朝刊には、未だに亡くなられ

     た方の御名前が掲載され続けており、毎朝目を通すよう心がけ

     ています。復興という言葉が軽くならないようしたいものです。

     さて、7月9日に北口本宮冨士浅間神社様と合同で行った、復

     興合同祈願祭からも2ヶ月が過ぎ、今度は、高尾山に場所を移

     して復興祈願の合同法要が執り行われました。

     当日は、浅間神社の関係者の方をはじめ、大山阿夫利神社様、

     富士講の皆様、当山役員の方、高尾山修験道有縁の方々、地

     元商店街の方々に100名以上お集まり頂き、殉難者のご供養

     と被災地の復興の促進が神仏融合の中で祈願されました。

    薬王院の僧侶と浅間神社の神職が合同で本堂へ向かいます。

     ご本堂内には神仏融合の尊い雰囲気が流れます。

     修祓の儀。最初に全員で御祓いを受けます。

     祝詞奏上。浅間神社宮司様による祝詞の奏上。

     大祓奉唱。一同で大祓を唱和いたします。

     一同で般若心経を唱えている間、お焼香をまわします。

     御貫首御導師のもと復興祈願の御護摩を厳修。

     外では堂内に入れなかった大勢の方々も手を合わせていました。

     蘭陵舞。引き続き堂内では蘭陵の舞が勇ましく奉納されました。

     豊栄舞。御神楽には、鎮魂の為の舞もあるそうです。

     宮司様・御貫首が代表して玉串拝礼。

     最後に御貫首と宮司様にご挨拶頂き、この度の法要は終了いたしました。

     震災から半年が経ちました。が、復興への道のりはまだ半ばも過ぎてお

     りません。皆様の思いがとどき、行動が実り、一日でも早く被災された方々

     に心休まる日が訪れることを願います。

 

     天狗の落とし文

               支え合って 力が集まる




第百回信徒峰中修行会


8月 24

2011年8月20・21日(土・日)

 

 

 

 

     第百回信徒峰中修行会が行われました。第百回に相応しく

     百五名の方々にご参加頂きました。

     初日 不動院にて開会式・修行行程の説明を受けた参加者

     は早めの昼食をとり、10時半には、回峰行に向かいました。

     滝修行・神変堂法楽・仏舎利塔の法楽を経て、境内に着い

     た時には、15時をすこし過ぎたところでした。百回目の峰中

     修行を記念して建立された、六根石の開眼供養に参加。

     ご本堂にて法楽後、宿坊に荷物を置き、休む間もなくご本堂で

     千巻経。

     18時から夕食・入浴を順次済ませ、20時から自己紹介も

     兼ねたディスカッションを行いました。

     2日目は、朝4時起床。薄暗い中をご本堂内で月輪観を。

     5時半から朝の勤行と諸堂の参拝。朝食後、8時より写経を

     開始。丁寧に般若心経を写します。

     写経後、御貫首のご挨拶を頂き、引き続いて、真言宗智山派

     延壽院の御住職であられます、伊佐榮豊先生の法話を拝聴

     いたしました。

     昼食後、薬王院を発足。金毘羅社を経て、火渡りを行う為、

     祈祷殿を目指します。

     天候の不具合もあり、火渡りは中止となりましたが柴燈護摩

     を厳修いたしました。

     不動院にて閉会式をすませ、一泊二日に及ぶ、信徒峰中修

     行は無事修了となりました。

     厳しく己を見つめなおし、同行の修行仲間と語り合う、そんな

     修行会になったのではないでしょうか。

 

    天狗の落とし文

    一生懸命




六根石開眼供養


8月 23

2011年8月20日(日)

 

 

 

 

     まだまだ、暑い日が続きますが、日暮れも若干早まり、夕方に

     なると薬王院の周辺は大分、涼しくなってきました。夕涼みに

     は最適かもしれません。ほんの少しですが秋の気配を感じる

     ようになってきました。と思っていた矢先のこの涼しさです。

     10月並だそうです。

     毎年夏・秋の年2回行われる、信徒峰中修行会がこの度、第

     百回目を数えることとなりました。また、富士登拝修行も節目

     の第5箇度目を無事終えました。それらを記念するものとして

     境内に建立された、六根石の開眼法要が執り行われました。

     開眼法要は御貫首御導師のもと執り行われ、百名を越える

     峰中修行参加者も除幕式に参加して頂きました。

     六根石には「懺悔懺悔六根清浄」と刻まれ、中央部には

     「目耳鼻舌身意」と彫られた六角形のグルグル廻す石がつい

     ています。とても重いです。

     普段の生活の中で、意識する・しないに関わらず罪を犯してい

     るようです。犯罪という意味だけではなしに、単純に好きとか

     嫌いと判断することでさえ、好きと思えば欲もでますし、嫌いと

     思えば怒りにつながります。そういった、心の汚れを、仏様であ

     るお山の中で、目や耳や呼吸や汗を通して、また、畏れる、恥

     じる、反省することを通して、「眼耳鼻舌身意」を清らかにする

     ことが六根清浄なのではないでしょうか。

     お山で感じた、爽やかな気持ちを日々の生活に活かして頂き、

     また、何かあればお山にグルグルしに来て頂ければと思います。

     天狗の落とし文

     常に動いている水は くさらない 人間も同じ

 

 

 

     




夏の高尾山は子天狗ちゃんがいっぱい


8月 15

2011年8月15日(月)

 

 

 

 

     暦の上では、もう秋となりましたが、まだまだ残暑が続きます。

     残暑という表現があわないような暑さの中、皆様、元気にお過

     ごしでしょうか?

     お盆休み中ということもあり、この時期は家族連れの方々が目

     につきます。そんな子天狗ちゃんたちを探しに山内をお散歩して

     きました。

     天狗の落とし文をゲット。普段の生活に役立つ言葉があるといい

     ですね。

     お山の冷たいお水は気持ちいいですか?

     浄水で小銭を洗います。おこづかいアップするといいですね。

     真剣な表情でおみくじをひく姿は大人と変わりません。

     良い御縁を結べたかな?

     ちっちゃなお子さんも一生懸命に階段をのぼります。がんばって!

 

     この時期は涼しい沢沿いを歩く6号路が人気のようです。

     しかし、暑い中、覚悟を決めて、思いっきり汗をかきかき、景色

     にも目もくれず、体内の老廃物を出すつもりで登るのも気持ちの

     良いものです。たっぷり汗をかいた後の一陣の風の気持ちよさ

     もこの時期の醍醐味ではないでしょうか。

     ただし、熱中症対策はくれぐれも忘れずに!

 

     天狗の落とし文

 

     自分が笑えば 相手も笑う

     

 

 

     

     




大山詣


8月 03

2011年8月1日(木)

 

 

 

 

 

8月になり夏本番を迎えた高尾山は、少し涼しいスタートとなりました。

 

毎年8月の1日に、神奈川県伊勢原市の大山を高尾・八王子地区の
皆様を集い、ご参拝させていただいております。

例年とても暑く、汗をかきかき登るのですが、大山も曇り空で涼しい登山と

なりました。

大山のケーブルカーは途中駅があり、下車するとお不動様がお祀りされています。

また大山寺前にお祀りされている三十六童子は、高尾が基となったとお聞きして

います。

上の駅を降りると先達が法螺貝を鳴り響かせ、高尾山の到着を知らせます。

大山阿夫利神社を無事参拝し、大山のおいしいお豆腐で会食し高尾へと

帰山いたしました。

 

    天狗の落とし文

 

    善とはあと味の善いもの




被災地復興・交通安全祈願 八王子・南大沢交通安全協会主催


8月 03

2011年7月30日(土)

 

 

 

 

例年ですと、八王子市営球場で行われる「火のまつり」ですが

未曾有の被害がもたらされた東日本大震災の発生により

今年の「火のまつり」は中止となりました。

高尾山は「祈りのお山」ということもあり、7月30日(土)に被災地の復興・

交通安全祈願を山麓自動車祈祷殿広場にて

八王子・南大沢交通安全協会とともに行いました。

今にも降り出しそうな空の下、山伏たちは護摩壇を組み立てます。

午後12時30分、不動院にて法楽。法螺貝の音とともにケーブル・カー清滝駅前より

高尾山商店街を練り歩き、祈祷殿へと向かいました。

願文が読み上げられ、柴燈護摩壇に火が入ると大導師 大山御貫首の許、

被災地の復興・交通安全祈願が厳修された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高く燃え上がる炎でご祈願されたお札は、八王子・南大沢交通安全協会様

それぞれに渡されました。

国土の安穏と一日も早い復興と収束、被災された方々の身上の安全を願い、

心安らかに毎日を過ごす事が出来るよう山伏たちは祈りを奉げました。

 

    天狗の落とし文

 

    同じ失敗 繰り返さない




第五箇度富士登拝修行 その④


7月 29

2011年7月9日(土)

 

 

 

 

 

     8合目~山頂~北口本宮富士浅間神社~高尾山

     最終日、午前1時に山頂を目指し出立。8合目・9合目ともなると

     傾斜も強まり、場所によっては岩に手をつきつつ、転ばないよう

     細心の注意を払いながらひたすらに登りました。

     午前3時45分、ついに山頂に到着。富士山頂浅間大社奥宮前

     にて世界平和を祈念しての法楽。山頂に到着した達成感も相ま

     って、一段と力強く感じました。

     ご来光を拝することは残念ながら出来ませんでしたが、怪我も

     なく無事に山頂まで来られたこと、また、共に登らせて頂いた大

     先輩の僧侶の方に「よくやった。頑張ったな」と声を掛けて頂き、

     心から嬉しく思え、大きな充実感を得ることができました。

     お鉢巡りの後、砂地の下山道を下ります。5合目では大山登拝

     をして来た秀峰会の方々と合流し、小御嶽神社にて法楽。

     昼食後、2日ぶりの北口本宮富士浅間神社へ。そこでは、なん

     と御貫首にお出迎えを頂き、労いのお言葉を頂戴し、胸が熱く

     なりました。

     ここで、北口本宮富士浅間神社様と合同で、東日本大震災復興

     祈願祭が執り行われ、双方の力強い祈りの声が響き渡り、厳粛

     な祈願祭となりました。

     なかなか観ることが出来ないであろう巫女さんの舞を拝見するこ

     とも出来ました。

     高尾山に戻ると、祈祷殿にて執事長御導師のもと柴燈護摩が厳

     修されました。     引き続き不動院に場所を移し、お出迎え頂いた方々の見守るなか法楽。

     執事長から温かいお言葉を頂き、富士登拝修行を無事に成満することが

     出来ました。

     今回、私が無事成満出来ましたのも、事務局の皆様をはじめ、

     多くの方々の支えがあってのことです。

             本当にありがとうございました!

 

    天狗の落とし文

 

    真の幸福を得る人は感謝の心を持っている人です




第五箇度富士登拝修行 その③


7月 29

2011年7月7日(木)

 

 

 

 

     ここからは、筆者バトンタッチしてお話いたします。

     北口本宮富士浅間神社~8合目元祖室まで

     7月7日 いよいよ富士山に入峰いたします。北口本宮富士浅間神社

     において、登拝安全・道中安全・無魔成満の御祈祷を受け、お神酒を

     頂きました。必ず成満し無事に帰ってくるぞと、自らの心に強く誓いま

     した。

     天気は曇りで、さほど暑くはありません。「慚愧懺悔六根清浄」の掛

     け声に、参加者全員が声を合わせて登ります。道中何度も唱えた

     この言葉は、たんなる掛け声以上に、呼吸を整え、気持ちを静め、

     背中を後押ししてくれました。

     富士山の山頂を目指すなかで、胎内修行、十界修行といった修験道

     独特の修行も体験いたしました。滅多に体験出来ることではないです

     ので、僧侶の言葉のひとつひとつも聞き漏らさないに必死で身体に

     刻み付けました。

     夕方には、5合目の佐藤小屋に到着。夜になると風が強くなり小雨が

     降り出しましたが、翌日の天気は快晴。日差しもさほど強くなく、快い

     風のふく登拝日和となりました。

     8日からは山岳ガイドが付き、ガイドさんの指示に従い小まめに深呼吸

     をしつつ、ゆっくり8合目を目指しました。風に運ばれてきた雲に包まれ

     「これぞ最高のマイナスイオン」と話す人も。

     十界修行も成満し8合目の元祖室に到着。翌朝のご来光に向け、夕方

     5時には早めの夕食をとり、0時まで仮眠となりました。

     

    天狗の落とし文

 

    成功は人のやらない努力の積み重ね




第五箇度富士登拝修行 その②


7月 29

2011年7月5日(火)~7月6日(水)

 

 

 

 

     薬王院~富士吉田市大国屋まで

      朝4:00起床。日の出前の薄暗い中でのお勤めでした。

     御貫首御導師の御護摩は、初体験でしたが、ロウソクの灯りと

     僧侶の読経と太鼓の音は、えもいわれぬ雰囲気があり、御本尊

     飯縄大権現様を強く感じました。

     奥の院の裏にある浅間社にて発足式を行い、道中の先達が御貫

     首から梵天袈裟を預かり、いざ出発。

      熱く硬いアスファルトに慣れてきた頃に昼食。上野原にお住まい

     の職員さんから、沢山のおにぎりとお漬物をご接待頂きました。

     この日は日差しが強く、道中、沢山の汗をかいていたので、お塩

     の効いたおにぎりとお漬物は、身体が欲していたらしく、最高に美

     味しかったです。朝早くから作って頂いたと思うと感謝の気持ちで

     一杯になりました。出発の際、挨拶がわりに交わした、がっちりと

     した握手は一生忘れないです。

     道々のお寺や神社に法楽をしながら本日の宿である中央館に到着。

     夕食では食べきれないほどの食事を頂き、また近くの温泉にも入る

     ことができ、精神的にも肉体的にもリフレッシュする事ができました。

      二日目、まずは雛鶴神社を目指します。雛鶴神社からは、山道を

     歩くことになりました。途中、一人ずつしか渡れない程の丸太橋や

     急勾配の坂があり、撮影係でもあったので、良い撮影ポイントだと

     思い、夢中でシャッターをパシャリ。

     都留付近では、市街地を歩くため、下校中の小学生や道行く人に

     声を掛けられました。「頑張って」と言われると、給水ポイントのごと

     く体力が回復しました。

      富士吉田市に入り、富士山に近づくと、なだらかな登り坂が続き

     ます。

     小室浅間社から二日目の宿の大国屋までの道のりで、高尾山

     修験道の旗を持つように言われました。突然のことで、驚きと共に

     緊張感と責任と本当に自分が持ってよいのかという思いが合わさ

     ったような気持ちになりました。しかし、旗を託された以上この役目

     を全うしようと強く思いました。大きな失敗もなく大黒屋に到着。

     夕食のメニューで私の好物がでてきて、ここまで頑張ったご褒美だ

     と思いました。

 

    天狗の落とし文

 

    短気は失敗のもと




第五箇度富士登拝修行 その①


7月 29

2011年7月4日(月) 

 

 

 

     本年で五回目を迎えた富士登拝修行も魔事なく成満となりました。

     毎回、ご好評を頂いております、富士登拝日記を本年も参加者の

     方にお書き頂きました。

 

     前行~薬王院まで

      今回、初めて富士登拝修行に参加させて頂きましたが、入山して

     日の浅い自分にとっては、これから修行をする者としての心構えど

     ころか、今思えば、その緊張感すらなかった様に感じます。

     しかし、いざ修行が始ると僧侶の方々の真剣さがひしひしと伝わり、

     自然と一生懸命になっていました。

      高尾山内での前行の話から始めたいと思います。

     8:30に不動院に集合の予定。しかし、緊張の為か8:00に到着。

     参加者の方々が集まったところで、祈祷殿に移動し柴燈護摩の準

     備をし、その後、琵琶滝にて水行となりました。滝にうたれること自

     体が初めての経験でしたので、不安が募ります。いざ滝の内に入

     ると身体は震え、頭の中は真っ白の状態でした。大きな声で「南無

     大聖不動明王」とお唱えすることで、気持ちが引き締まり、頭もハッ

     キリとしてきました。滝から出た際は邪気が洗い流された感覚にな

     り、爽快な気分となりました。

      滝行を終えると不動院に戻り、昼食。初対面の方も多く静かな昼

     食となりました。昼食を終え、柴燈護摩に備え初めて山伏の姿に

     着替えました。初めてきる衣体に呆然としていると、まわりの僧侶

     の方々が丁寧に教えてくれました。明日からは自分一人で着られ

     ないと、迷惑が掛かるので必死で覚えました。

     自分にとって初めての柴燈護摩修行は執事長御導師のもと執り行

     われました。生唾を飲む音が周りに聞こえるのではないかという位

     緊張しておりましたが、覚えたての般若心経を必死で唱えました。

     自信がなかったこともあり、声が小さかったことが反省点です。

      その後、不動院で法楽をすませ薬王院へ向けて、一号路を登りま

     した。「慚愧懺悔六根清浄」の掛声とともに登ります。写真と撮られ

     たり、かっこいいと言われたり注目を浴びましたが、修行という事を

     頭に入れ、自分自身を見つめながら一歩・一歩足を進めました。

     金毘羅社、神変堂、御本堂と法楽したがら薬王院に到着。大玄関

     では多くの僧侶の方にお出迎えを頂きました。

     先輩の職員の方には、「これからが大変だから頑張れ」と言われ、

     経験者の言葉は重く、身が引き締まる思いでした。

 

    天狗の落とし文

 

    節度は大切に